救われ王子にロックオン~溺愛(お礼)はご遠慮させて頂きます~
「さっき、あいつ何か言ったよね、えっと・・・恋・・・?」
気のせいと、思いたいが彼の口からはっきり聞こえた。
゛ただの恋する男です゛in hospital
韓流ドラマの日本語タイトルにありそうで笑えるが、現実になったら笑えない。
変則壁ドンからの~正式壁ドン~のち頬チュー
「どんな勘違い男やねん、アホらしい」
一人取り残されたあやめは、光治にキスされた頬をごしごしとドクターズコートの袖で擦った。
おそらく、あれだ、あれだろう。
少女漫画的な展開の、あれだ。
あやめは彼にとって、危機的状況を救ってくれた唯一のヒーロー、ならぬヒロイン。
初めは信用ならないと警戒していたものの、その優しさ?と責任感を、勝手に好意と勘違いして思い込んでしまったってやつ。
イケメンならではの勘違いから、男性ばかりの環境に自ら追い込み、一週間もあやめ以外の女性を遠ざけてしまった。
追い詰められた故、あやめに恋心を抱いた、と斜め上の錯覚をした・・・。
緊張した場面を誰かと乗り越えると、その相手がたとえ犯罪者だったとしても好意を抱くのだという。
それこそ゛吊橋効果゛だ。
セルフマインドコントロールと言ってもいいだろう。
だが、幸いなことに、ベリーヒルズビレッジのイケメン王子さまは本来いるべき場所へ帰る。
美しい女性達、一流のパートナーと接するうちに、゛どうしてあんなチンケな童顔女医に恋をする、などとあり得ない勘違いをしたんだろう゛と、我に返るに違いない。
もしくは、恋愛初心者認定したあやめに、最後の最後に復讐したかったとか・・・?
どちらの線もありえそうで怖い、おそらく後者で間違いないだろうが・・・。
まあ、あと一回しか会う(診る)ことはないだろうけど。
「・・・しかし、いい匂いしたなあ。近くで見ても超絶美形だったし」
恋愛に興味がないとはいえ、あやめも女子だ。
゛イケメンは神、イケメンは正義゛
という二次ヲタ女子の言葉に、ほんのちょっとは共感している。
「はあ、朝からなんか、疲れた」
ふるふると首を振って気を取り直し、あやめは歩き出した。
「今後は許さないけど、まあ、あんなイケメン王子に感謝のチューされることなんて、この先そうそうないだろうし、まあ、役得?そういうことにしとこう。腹立つし」
得意の独語は誰にも受けとめられることはない。
来週の再診が終われば二度と関わることはないのだ。
そう信じているあやめが自分の甘さを知るのは、そう先の話ではなかった。
気のせいと、思いたいが彼の口からはっきり聞こえた。
゛ただの恋する男です゛in hospital
韓流ドラマの日本語タイトルにありそうで笑えるが、現実になったら笑えない。
変則壁ドンからの~正式壁ドン~のち頬チュー
「どんな勘違い男やねん、アホらしい」
一人取り残されたあやめは、光治にキスされた頬をごしごしとドクターズコートの袖で擦った。
おそらく、あれだ、あれだろう。
少女漫画的な展開の、あれだ。
あやめは彼にとって、危機的状況を救ってくれた唯一のヒーロー、ならぬヒロイン。
初めは信用ならないと警戒していたものの、その優しさ?と責任感を、勝手に好意と勘違いして思い込んでしまったってやつ。
イケメンならではの勘違いから、男性ばかりの環境に自ら追い込み、一週間もあやめ以外の女性を遠ざけてしまった。
追い詰められた故、あやめに恋心を抱いた、と斜め上の錯覚をした・・・。
緊張した場面を誰かと乗り越えると、その相手がたとえ犯罪者だったとしても好意を抱くのだという。
それこそ゛吊橋効果゛だ。
セルフマインドコントロールと言ってもいいだろう。
だが、幸いなことに、ベリーヒルズビレッジのイケメン王子さまは本来いるべき場所へ帰る。
美しい女性達、一流のパートナーと接するうちに、゛どうしてあんなチンケな童顔女医に恋をする、などとあり得ない勘違いをしたんだろう゛と、我に返るに違いない。
もしくは、恋愛初心者認定したあやめに、最後の最後に復讐したかったとか・・・?
どちらの線もありえそうで怖い、おそらく後者で間違いないだろうが・・・。
まあ、あと一回しか会う(診る)ことはないだろうけど。
「・・・しかし、いい匂いしたなあ。近くで見ても超絶美形だったし」
恋愛に興味がないとはいえ、あやめも女子だ。
゛イケメンは神、イケメンは正義゛
という二次ヲタ女子の言葉に、ほんのちょっとは共感している。
「はあ、朝からなんか、疲れた」
ふるふると首を振って気を取り直し、あやめは歩き出した。
「今後は許さないけど、まあ、あんなイケメン王子に感謝のチューされることなんて、この先そうそうないだろうし、まあ、役得?そういうことにしとこう。腹立つし」
得意の独語は誰にも受けとめられることはない。
来週の再診が終われば二度と関わることはないのだ。
そう信じているあやめが自分の甘さを知るのは、そう先の話ではなかった。