救われ王子にロックオン~溺愛(お礼)はご遠慮させて頂きます~
゛べた褒め゛否゛ベタぼれ ゛である。

「あやめ先生には感謝ですね」

田中の言葉に、浮かれていた光治の表情が真剣なものに変わる。

「感謝の気持ちだけで終わるつもりはない。彼女の全てを我が物に」

「御意」

゛主君の言葉は絶対に果たすべき使命゛

それは、遠い昔、聖川家が宮家であった頃からの家臣である田中家の家訓でもあった。

主は目標達成のために動き出した。

家臣はそれを支えるのみ。

こうして、光治は頼りがいのある味方を手に入れ、手の届きそうもない可憐な゛紫の花゛を狩る準備に着手したのであった。

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