誘拐は激甘生活の始まりVI
「杏菜、今日の夕食は庭で食べよう!子羊の肉が手に入ったからソテーを作ってワインも開けちゃおうか」
リオンがエプロンをつけながらそう言い、杏菜も「いいですね」と笑う。子羊の肉など食べたことがなく、どんな味だろうと杏菜は考えながら花柄の可愛らしいエプロンをつけていた。その時、空からドンという音が聞こえてくる。
「花火大会があるみたいだね。ここからでも見えるよ」
窓の外を見たリオンが微笑み、カーテンを開ける。薄暗くなり始めた空には色鮮やかな大輪の花が咲いていた。
「綺麗……」
花火を見つめる杏菜の頭には、あの時ダミアンと見た花火が思い出された。誘拐された杏菜が初めて部屋の外に出してもらえた日に見た美しい景色だ。花火を見て微笑むダミアンの横顔が浮かぶ。
「杏菜。ねえ、誰のことを考えてるの?」
気が付けば、杏菜の腕をリオンが悲しげな顔で掴んでいた。強い力で掴まれた腕が痛み、杏菜は「離してください」と言うがそのままソファに押し倒され、リオンに馬乗りにされてしまう。
リオンがエプロンをつけながらそう言い、杏菜も「いいですね」と笑う。子羊の肉など食べたことがなく、どんな味だろうと杏菜は考えながら花柄の可愛らしいエプロンをつけていた。その時、空からドンという音が聞こえてくる。
「花火大会があるみたいだね。ここからでも見えるよ」
窓の外を見たリオンが微笑み、カーテンを開ける。薄暗くなり始めた空には色鮮やかな大輪の花が咲いていた。
「綺麗……」
花火を見つめる杏菜の頭には、あの時ダミアンと見た花火が思い出された。誘拐された杏菜が初めて部屋の外に出してもらえた日に見た美しい景色だ。花火を見て微笑むダミアンの横顔が浮かぶ。
「杏菜。ねえ、誰のことを考えてるの?」
気が付けば、杏菜の腕をリオンが悲しげな顔で掴んでいた。強い力で掴まれた腕が痛み、杏菜は「離してください」と言うがそのままソファに押し倒され、リオンに馬乗りにされてしまう。