アウトサイダー


チラリと時計を見ると、8時半。


そろそろホームルーム開始時間。


がらりと、扉が開き、先生が入ってきた。


その少し後に、男子生徒。


転校生だろう。




「おはよー。
皆居るかー、ホームルーム始めっぞー」



先生はそう言うと、少し眠そうな顔をして、教卓の前に立った。



おはようございます、と皆が口を揃える。


「転校生を紹介するー」


皆、先生のその言葉を待っていたかのように、ざわざわとし始めた。




耳障り…。



ボクは前髪の隙間から男子生徒の姿を確認する。




長身で、細身。

ボクが174センチだから、転校生は……180センチくらい。


艶々とした黒髪は、…可愛らしいキャンディ型の飾りが付いたヘアピンでまとめられている。


可愛いものが好きなのかな…。



なで肩で、内股のせいか、女性的な雰囲気。



「はいっ、転校生ー、自己紹介どうぞー」



…相変わらずテキトーな先生だな。

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