今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「ドキドキしたり、嬉しくなったり、ヤキモチ妬いたり、自分の気持ちを抑えようと思ったり……それって相手のことが好きだから出てくる感情だよ」

「……そうなの?」

「自分の中で存在が大きい人の言動ほど、自分の感情がコントロールしにくくなるらしいよ?私のお母さんが前に言ってた」

「瀬那先生が、私の中で大きな存在ってこと?」

「そうなるねぇ」



瀬那先生の言葉ひとつで嬉しくなって、悲しくなる。

……悔しいけど、当たってる。



「つむぎ、それはつまり……瀬那先生のことが好きってことだよ」

「……」

「この気持ちを抑えなきゃ。好きになっちゃいけない……そう思ってるのはその人を好きな証拠なのです」



私が……瀬那先生を好き……。



そっか……そうなんだ……。
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