今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

どうも数字が苦手で、方程式を覚えたとしてもどう当てはまればいいかがさっぱり分からない。



数学は瀬那先生が教えてくれるので、授業中は他の授業よりも集中して聞いている気がする。



それなのに……!

私は数学だけ赤点をとってしまった。



学校の仕組みとして、赤点をとった場合、その科目の単位がとれなくなってしまう。



単位を1つでも落としてしまうと、必然的に次の学年に上がれなくなる。



さすがにそれではあまりにも厳しすぎるということで……1週間の補修授業を受け、最後に小テストで60点以上をとれば、単位をもらえるという救済措置を学校側が与えてくれた。



瀬那先生と補習授業……。

2人きりなんてドキドキするよーっ。



補習なのにめんどくさい気持ちはこれっぽっちもなく、瀬那先生と2人きりで勉強できることが嬉しくて嬉しくて仕方なかった。



隠しきれそうにないニヤニヤをなんとか抑えながら、補習授業が行われる教室のドアをそっと開けると……。


< 104 / 397 >

この作品をシェア

pagetop