今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
それからの放課後は同じメンバーで瀬那先生の補習授業を受けた。
少人数ということもあり、分からないところは積極的に質問して、どんどん自分の苦手を克服していった。
……4日目のテスト前日。
瀬那先生がこの教室で補習授業をしているのをどこからか聞いたのか、瀬那先生をいつも囲んでいる女の子たちが勝手に教室に入ってきた。
「私たちも数学、瀬那先生に教えてもらいたいぃ」
「長友(ながとも)たちは赤梨(あかなし)先生が担当だろ?もう始まるから戻りな」
「習ってる部分は一緒でしょ?それなら瀬那先生でも別によくなーい?」
「クラスごとで担当の先生が分けられてるんだから、ちゃんとその先生に教わりなさい」
「えー……」
口々に猫なで声で瀬那先生に文句を言う女の子たち。
気づけば、補習授業が始まる時間になってしまった。
それでも女の子たちは引き下がらず、しつこく瀬那先生に絡んでくる。