今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

明日がテストで今日ラストスパート頑張らなくちゃいけないのにー……。

どうしよ……。



そう思っていると、瀬那先生は「あのなぁ……」と珍しくとても低い声を出して女の子たちの顔をジッと見た。



「明日再テストで、ここにいるみんなが長友たちのせいで上手くいかなかったときどうすんの?責任とれんのか?」

「……そ、れは……」

「自分たちだって明日再テストだろ。そんなに俺と仲良くなりたいんだったら、ちゃんと進級できるように頑張ってこい」

「……わかったよぉ、行ってきまーす」



瀬那先生の最後の言葉を聞いた女の子たちはあきらかにキュンとしていた。



少し離れたところから見ていた私でも分かる。



やっぱり女の子慣れしてるだけあって、納得させるのも上手だなぁ。



最初から怒るんじゃなくて、優しくさとすように話してくれるから女の子たちも嫌な気持ちせずこの教室から出ることができたんだと思う。


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