今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「勝手に触られたことを怒ってるんじゃない」
「……」
「呉羽にふいに触られたら、男は誰だって好きになる」
「わ、わ、私……?」
「あんまり気をもたせることするなよ」
私が気をもたせてしまうって……そんなことありえないのに。
瀬那先生は本当に心配性だな……。
「かわいいって自覚持て」
瀬那先生はそう言って、再びノートに問題を書き始めた。
「……そのかわいいは、どういう意味ですか?」
「……」
「生徒として?それとも……女の子として?」
私がそう返すと、瀬那先生は顔だけ私の方へと向けた。
「どっちかわかんないの?」