今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
質問を質問で返すこの技、ほんっとにずるい……!
責任をすべて私に押しつけて、瀬那先生の本当の気持ちは言ってくれないんだ……。
「さっきの話聞いててもわかんないのか?」
「はい……」
「マジで自覚ないのか……」
「自覚?」
「俺のクラスの男子たちも呉羽のこと噂してたぞ。あんなにかわいい子見たことないって」
C組の人たちがそんなことを……?
「きっと人違いですよ。私のことそんな風に言う人いるわけないもん……」
「ここにもいるだろ」
「……」
「呉羽はいつだって、かわいいよ」
……この守谷瀬那という先生は、私が出会った中で1番ずるい人。
目の前でこんなこと言われて、ときめかない人なんているの……?
私がもっと瀬那先生のこと好きになったらどうしてくれるの……。