今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


そう言っても、俺もひとりの男。



至近距離で無邪気に笑われたり、帰り際に頬に突然チューされたり、ひとりの女性として見てって言われたら……そりゃあ、無意識に呉羽を探してしまう。



……でも、だめだ。

教師として生徒とそんなことになるなんて絶対だめだろ。



呉羽はついこの間まで中学生だったんだぞ。

義務教育受けてた小娘なんだ。

まさかモテまくりの人生を生きてきた俺が、そんな小娘を好きになるはずがない。



俺は何度も自分にそう言い聞かせ……生まれようとしている小さな気持ちをなんとか抑えた。



そして、運命の補習授業最終日ーーー……。



再テストが行われた。
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