今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「片想いってさ、もちろん叶わないっていう辛さもあるけど、それ以上に幸せなこともある。だから、無理に忘れることなんてできないんだよ」
「……」
「ただ、他にいい人がいないかアンテナだけは張っておこ!」
「うん、そうだね。いつ運命の人が現れてもいいようにねっ」
1番近くにいる人と一緒に片想いを頑張れる。
そんな環境がまず幸せすぎるじゃないか。
蛍のおかげで気持ちもスッキリし、いつもの状態で登校することができた。
……そして、その日の放課後。
蛍は家の用事があるからと、蛍のお母さんが車で迎えに来ていたので先に帰ってしまった。
今日は1人かぁ……。
そんなことを思いながら、私は教室を出た。