今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


「伊吹くんと仲良く話せる関係なら、友達のままの方がいいかなって思ってたの」

「うん」

「でも、最近は伊吹くんが目の前にいるだけで好きって気持ちが溢れてきちゃって……全然しゃべることができなくて」

「うん」

「告白して振られるのも怖い。だけど、今のままでいるのも嫌で……」



好きだからこその複雑な気持ち。

真剣に悩んでいる蛍を目の当たりにして……恋の難しさを知った。



学校からの帰り道……。



最寄駅から歩いて5分ほどのところにコンビニがあり、そこから道が左右に分かれている。



私は左に、蛍は右に行くので、いつもここで別れることになる。



「……あのね、明後日、思い切って伊吹くんに告白しようと思う」



そんな場所での蛍の突然の言葉に驚きを隠せず、言葉を発するまでに何秒か間が空いた。

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