今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
呉羽のことだから、特に深い意味はないのかもしれない。
ただ単純にイヤリングをプレゼントされて、さらにデザインがかわいかったから喜んでるだけなのかもしれない。
……でも、俺以外の男に貰ったものを嬉しそうに身につけている呉羽を見て、いい気は一切しない。
無邪気に嬉しそうに笑う呉羽。
そんな呉羽に苛立ちを覚えた。
「呉羽さ、最近やけに門奈と仲良いよな」
「そうですか?門奈くんとは中学から一緒だからですかね」
俺からの急な質問にも、呉羽は平然と答える。
「でも、2人で話してるとき楽しそうじゃん」
完全にヤキモチからのイライラだ。
「瀬那先生、なにが言いたいの?」
さすがの天然な呉羽も俺の異変に気づいたのか、呉羽は握っていたペンを一度置き、俺のことをジッと見つめた。
【 瀬那 side end 】