今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
蛍とは幼稚園からずっと一緒で、いわゆる幼なじみというやつ。
蛍は私のことで知らないことはないだろうし、私も蛍のことはすべて知っているつもり。
嬉しいことがあったときも、悩んだときも、真っ先に蛍に話す。
冷静にものごとを考えられる蛍に、どこか抜けてる私はいつも助けられている。
中学3年生になり、いつものように蛍の部屋でなんとなくどこの高校に行きたいかという話になったときに……「せーの!で、同時に高校の名前言おうよ」という流れになった。
「西校!」と、私と蛍は見事に同じ高校を口にし、お互いに驚きつつも、すごく嬉しくてその場で抱き合ったのを今でも覚えている。
高校も一緒に行けるってわかってからは、やる気がなかった受験勉強にも力が入った。
……そして、頑張ったかいがあって私も蛍も合格することができた。