今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「瀬那先生に元気を与えられているなら本望です」



私は両手でゆるむ頬を押さえた。



「その顔、やばいな」

「へ……?」



瀬那先生はそう言うと、頬に触れている私の両手首を掴んだ。

そして、顔が近づいてきて……瀬那先生はキスする寸前で止まる。



「目、閉じて」



俺様な口調の瀬那先生のいうことを聞かないわけにはいかない。

瀬那先生の言うとおり目を閉じた私の唇に……そっと瀬那先生の唇が重なった。



さっきのように触れただけですぐに唇は離れ……たのだが、またすぐに唇同士はくっついた。



離れてはくっついてを何度も繰り返され、私は離れた一瞬でなんとか空気を吸った。



だんだんと苦しくなり、私は無意識に瀬那先生のYシャツを握りしめていた。

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