今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「あの……今、彼女って言いました……?」
「言ったよ。だって、呉羽も俺のこと大好きだろ?」
「……瀬那先生が、大好きです。私、今日から瀬那先生の彼女になっていいんですか?」
先生と生徒という禁断の関係。
それでも、大好きで大好きでそばにいたいと思う。
「呉羽、俺の彼女になって」
「……はい」
誰もいない静かな教室。
決してバレてはいけない私と瀬那先生の秘密。
私にとって初めての、大きくて愛おしい秘密。
嬉しすぎて泣きそうになる私に気づいた瀬那先生は、優しく私を抱きしめてくれた。
瀬那先生の心臓の音がトクントクンと聞こえて心地よい。
高校生になって初めての夏休み前ーーー……。
私は、大好きな瀬那先生の彼女になった。