今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

瀬那先生に頭を触れると、なんだか落ちつく。

安心するなぁ……。



そんな風に瀬那先生をぼーっと見ていると、瀬那先生の顔がだんだんと近づいてきた。

私は空気を読んで、目を閉じる。



瀬那先生の唇が重な……ることはなく、私の肩に瀬那先生のおでこが当たった。



は、恥ずかしい……。

てっきりキスされるんだと思ったから、目を閉じちゃったよ……。



「2人きりでいると、さらに呉羽がかわいく見える」

「……きゅ、急になんですかっ⁉︎」

「いや。今日1日かわいいなぁって思ってたからさ。そろそろ言葉にしないと、呉羽に変なことしちゃいそうで」



瀬那先生はそう言って……嬉しそうに私を見た。



瀬那先生には、常にかわいいと思われたい。

……瀬那先生からの"かわいい"は、私にとって最強の魔法の言葉だ。

どんなプレゼントより、うれしいかもしれない。

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