今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

男友達の質問に、なぜか麗華が答える。

それ、いつの情報だよ。



「そういうこと言うな」

「なんでー?そういえば、ふざけてだけど、私とも手つないだことあるもんねー?」



さすがにイライラしてきた俺は、表情さえ変えないけど声を低くした。

それでも空気が読めない麗華は、さらに余計なことを言う。



あれは帰り道に麗華が一方的につないできただけだろ。



「あのなぁ……」

「……あの、お待たせ」



怒り気味で俺がそう口にすると……。

声が聞こえたので振り向くと、後ろにはつむぎがいた。



……マジかよ。

今の聞いてた?どこから聞いてた?

高校のときに2人の女の子と遊ぶ日が被ってしまって焦ったあの日をふと思い出した……。



「あ、彼女さんごめんねぇ?今の聞こえちゃってたぁ?」



わざとあおるように言う麗華。
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