今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「大丈夫、です……」



あからさまにテンションが低いつむぎ。



一分一秒でも早く、つむぎと2人きりになりたい。

誤解を解きたい。



電車で来たという同級生たちとは駅でわかれることになった。

これから居酒屋で飲むらしい。



駅までの道では……麗華に無理やり、俺の隣を陣取られた。

俺の半歩後ろを歩くつむぎに手を差し出し、手を握るも……会話の主導権は麗華に握られた。



「じゃあ、またな」

「おう。また飲もうぜ」



駅に着き、ここで麗華とも離れられると思いきや……麗華は「私、疲れたから帰る」と言う。



「瀬那、一緒に帰ろうよ」

「俺ら、車で来たから」

「あ、そうなんだね。じゃあ、私は1人寂しく電車で帰るね」

「あぁ。気をつけて帰ろよ」



とにかく俺はつむぎと2人きりになりたい。

早く安心させたいんだよ……。


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