今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「俺は、つむぎがそばにいてくれたらそれでいいんだよ」
これまで生きてきた中で、女の子の涙は数えきれないくらい見てきた。
中学、高校のころは、ありがたいことに、この見た目だから女の子と遊ぶのに困ることはなかったし、彼女も常にいた気がする。
本気で好きになった子としか付き合わなかったし、浮気もしたことがない。
それでも……こうして泣かれて、自分まで胸の奥が苦しくなることなんて今まではなかった。
つむぎが悲しんでることが悲しい。
泣いてる姿を、これ以上見たくないと思った。
「私、瀬那先生の1番そばにいたいです。離したくないです」
「俺もそう思ってるよ」
「……瀬那先生、大好き……っ」
つむぎはそう言って……俺のほうに身を乗り出してきた。
そして、俺の唇につむぎの唇が触れた。