今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「……うん」

「そうじゃなきゃ、これから末永く付き合えないだろ?」



"末永く"という言葉が……いったいどのくらいの時間を表しているのかなんて、そんなことは知らない。

それでも……私も瀬那先生と長く付き合っていきたいから。

そう思うからこそ、瀬那先生の言葉は私の心の奥底に優しく染みた。



あっという間に、私の家に行く時間になった。

家の駐車場には車が2台止められるのだが……行ってみると、お父さんの車がなかった。



嫌な予感がする……。

家の中に入ると……その予感は見事的中した。



玄関にはお母さんが来てくれて、瀬那先生の顔を見た一瞬だけ、目を見開いていたような気がした。



「はじめまして。守谷瀬那と申します。つむぎさんとは1ヶ月前からお付き合いをさせてもらっています。よろしくお願いします」

「つむぎの母です。実は、主人もさっきまでいたんですけど……」

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