今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
お母さんが言うには……お父さんは、直前になり、私の彼氏にやっぱり会いたくないと言い出したらし、どこかへ出かけてしまったらしい。
そんなことってある……?
私も瀬那先生もドキドキしながらこの日を迎えたのに……。
「まぁ、お父さんのことは置いておいて!立ち話じゃなんだから、中へ入ってゆっくり話しましょ」
お母さんに言われたとおり、とりあえず、私と瀬那先生はリビングへと向かった。
「瀬那くんは、お仕事なにしてるの?見た目の感じからして、つむぎよりは年上かなぁって思ったんだけど」
勘が鋭いお母さんが、私たちがソファに座るや否や爆弾を投げてくる。
お母さんは、テーブルを挟んだ反対側に座った。
我が母ながら……さすがに鋭い。
「実は……高校の数学教師をしています」
「あら、そうなの?……ん?ていうことは……」
さっきまでは、お母さんの表情は柔らかかった。
そのお母さんの表情が……一気に硬くなる。