今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

お母さんが言うには……お父さんは、直前になり、私の彼氏にやっぱり会いたくないと言い出したらし、どこかへ出かけてしまったらしい。



そんなことってある……?

私も瀬那先生もドキドキしながらこの日を迎えたのに……。



「まぁ、お父さんのことは置いておいて!立ち話じゃなんだから、中へ入ってゆっくり話しましょ」



お母さんに言われたとおり、とりあえず、私と瀬那先生はリビングへと向かった。



「瀬那くんは、お仕事なにしてるの?見た目の感じからして、つむぎよりは年上かなぁって思ったんだけど」



勘が鋭いお母さんが、私たちがソファに座るや否や爆弾を投げてくる。

お母さんは、テーブルを挟んだ反対側に座った。

我が母ながら……さすがに鋭い。



「実は……高校の数学教師をしています」

「あら、そうなの?……ん?ていうことは……」



さっきまでは、お母さんの表情は柔らかかった。

そのお母さんの表情が……一気に硬くなる。

< 258 / 397 >

この作品をシェア

pagetop