今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「コーヒーでも淹れるわね」とお母さんが言って、その場で立ち上がろうとしたそのとき……。

突然、スマホから地震速報が鳴った。

音の大きさとそのメロディーに、思わず体がビクッとする。


私はパニックになり、頭をとりあえず守るけど……体がその場から動かない。



「つむぎとお母さん、テーブルの下に入ってください」



瀬那先生が声をかけてくれたおかげで、慌てていた私とお母さんはダイニングテーブルの下になんとか避難することができた。

瀬那先生もすぐにテーブルの下に潜り込む。



そのあとすぐに大きな地震がきた。

短い時間だったが……大きく揺れた。



何分間か様子を見てその場から動かなかったけど、しばらくしても揺れないので、とりあえずテレビをつけることにした。

この辺りは震度4の地震だったらしい。



地震や嵐が苦手な私は……安心したと同時に、足が震えてしまい、その場でしゃがみ込んでしまった。

そんな私の手を、瀬那先生が優しく握ってくれたことでとても安心できた。
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