今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
先生が連れて行こうとしてくれたが、親友の意地が働き、私がぐったりしている蛍をおんぶして保健室まで向かった。
保健室までの道は先生に教えてもらったので、さすがに迷子にはならなそう。
……蛍には悪いけど、さすがに重くなってきた……。
自分と同じくらいの人間を運ぶのってこんなに大変なんだと痛感しながら、一歩一歩ゆっくりと進んだ。
蛍を落とさないようにするのに必死で、私はもはや地面しか見えない状態で歩いていた。
……そんなとき、前から人の気配がした。
「……あれ?」
男の人の声がして、さらに距離が近づいたと思った矢先……その人は私の顔を覗き込んできた。