今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
カウンターキッチンで、料理しながらリビングが見渡せるようになっている。
そのリビングにつながっている一部屋が寝室で、扉がついているのでそれによって仕切られている。
麗華さんは手伝ってくれるわけでもなく、私がお粥を作っている最中ずっと、カウンターから身を乗り出して話しかけてきた。
「つむぎちゃん、だっけ?若いよね?いくつ?」
「……18です」
高校生だってバレたら大変だ。
とっさにウソついた。
「瀬那ってモテモテだから心配になるでしょー」
「そうですね……」
「女友達も多いし、優しいしさぁ。こうして私は特別扱いしてくれて、なにかあるとすぐに連絡してくれるんだよねぇ」
聞きたくない……本当なのかウソなのかわからない話。
「今までの彼女も必ず紹介してくれたの。私には会わせたいらしくて」
聞き流したいけど嫌でも耳に残る。