今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「だから、私もつい期待しちゃうんだよね……。彼女がいても、結局私が特別なことに変わりないのかなって」



こんなことを言われたときは、私はなんて返すのが正解なの?

気を抜いたら泣いてしまいそうで……私は透明の耳栓をした。



「……あ、あと、今同じ職場に元カノがいるらしく、その元カノがすごい美人で、さすがの私もびっくりしたなぁ」



しかし、その耳栓はすぐに外れてしまった。

同じ職場?ていうことは先生の誰かが瀬那先生の元カノ……?



「あっ、思い出した。恵玲奈って子だ。名前まで美人で、瀬那とお似合いだったなぁ」



小栗恵玲奈先生と瀬那先生が、まさか以前付き合っていたなんて……。

いつ?どのくらい付き合っていたんだろう……。


私は、泣きそうになるのを必死に堪えた。



「おかゆ、私が持ってくね」



おかゆは無事に出来上がったのだが、麗華さんが勝手に運んでいってしまった。

まぁ、いいか……。

なんか一気に聞きすぎて、疲れてしまった。



飲み物を忘れたので、私は後から寝室へと行った。

紺色と白を基調にしたすっきりとした寝室。

瀬那先生っぽい部屋だなと思った。

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