今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


「お水、ここに置いておきますね」



私は、ベッドの横にあるサイドテーブルに水が入ったコップを置いた。



「瀬那、おかゆできたよ。食べさせてあげるね」



瀬那先生は上半身だけを起こして、寄りかかるように座っていた。

まだ、だるいんだろうなぁ……。



麗華さんは、そう言って瀬那の口に運ぼうとした。

もう少しで瀬那先生の口に入りそうな……そのとき。



「つむぎからがいい」



瀬那先生は私を見て、そう言った。



「つむぎ、食べさせて」

「……私が食べさせてあげるよっ。あ、つむぎちゃん、帰って学校の宿題やらなくちゃいけないんだって!ね?そうだよね?」



麗華さんは私にしか見えないように、私のことを睨んだ。

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