今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「大丈夫です……っ、私連れていけますから!」
私が歩いていた速度よりはるかに速く歩く瀬那先生を、私はとにかく追いかけた。
「こういうときは遠慮なく頼れ」
「でも……っ」
「そもそもこの友達具合悪いんだろ?なら早く保健室に連れてった方がいいんじゃねぇの?」
「……確かに、そうです……」
チャラっチャラした先生なんかに頼りたくないって、私の勝手なプライドが邪魔をして思ってた。
けど、瀬那先生の言う通り、今は蛍のことを最優先で考えなくちゃいけなかったんだ。
蛍をおんぶしながらも、スタスタといつも通り歩く瀬那先生。
そんな瀬那先生の背中を見ながら、やっぱり男の人って力があるんだな……と思った。