今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「えっ⁉︎もう9時⁉︎」
「俺もさっき起きたんだけど、そしたら隣にかわいい寝顔があったからつい見惚れちゃった」
「こんなときにドキドキさせないでください……っ」
「俺が送ってやりたいところだけど、今日はさすがにきついなぁ……」
もちろん、具合が悪い瀬那先生に送ってもらうわけにはいかない!
「全然大丈夫です!」
「親御さんは迎えに来れる?」
「今日はお母さんが夜勤でまだ帰ってきてなくて、お父さんはわからないです。なので、1人で帰ります」
「いや、先生としてもだけど、彼氏としてもこんな夜に1人で帰らせることはできない」
瀬那先生、本当に紳士でステキ……。
……って、惚れ直してる場合じゃない。
「じゃあ、とりあえずお母さんに聞いてみますね……」
私は一か八か、お母さんに電話をかけた。