今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

熱があるからか、これ以上頭が回りそうにない。

……俺は、つむぎに完敗し、仕方なくつむぎと寝ることにした。



「風邪移したら嫌だから、背中向けるな」



他の意味も含めて、俺はつむぎに背中を向けた。



背中合わせなのに、つむぎからは俺がいつも使っているシャンプーの匂いがして……俺を誘惑してくる。

セミダブルベッドでまだよかったかもしれない。

これがシングルサイズだったら、もっと密着してることになる。



さっさと寝てしまおう……。

そうすれば、余計なことを考えずに済む。



……そう思って、俺は目をつぶった。

それなのに……。



なんの危機感もなく、つむぎが後ろから抱きついてきた。

がっつりと、俺の背中につむぎの胸が当たっている。

ムラムラしないわけがない。



このままじゃ……寝られない。

俺は、心を鬼にした。

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