今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
私たちが通う高校があるのは、最寄り駅から3つ隣の駅。
すでに、乗った車両にも同じ高校の生徒が何人かいる。
駅に着き、改札を出て左に曲がると階段があり、それを降りると高校へ行く道に出る。
反対に右に曲がると、2年前にできたばかりの大きな駅直結のショッピングモールがある。
そのショッピングモールは、蛍とよく洋服を買いに来る場所。
階段を降りると、道の先には同じ高校の人たちがずらずらと歩いている。
「なんか登校するだけなのにドキドキするね」
「確かに、変な感じだね」
浮かれてるとは、まさにこのことだと思う。
ついに、高校生なんだー……。
教室に入るまで、テンションが上がって落ち着かない私はずーっと1人でしゃべっていた。