今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「一緒に寝たくないとか、くっついてほしくないなんて思ってない」
「……」
「……俺にも、いろいろ事情があるんだよ」
「……事情?」
つむぎは純粋な眼差しを俺に向ける。
当の俺は……至近距離でのつむぎの上目遣いに、完全に心を撃ち抜かれていた。
「つむぎにこうやってくっつかれると、歯止めが効かなくなる」
「……」
「キスしたり、それ以上のことをしたくなる」
「……っ!」
サイドテーブルに置かれている小さなランプのみ点いた、薄暗い部屋。
そんな中でも……つむぎの顔が赤くなったのは、つむぎの表情から想像できた。
やっと理解してくれたらしい。
「わかったら、さっさともう寝ろ」
俺は、やけくそでつむぎを強く抱きしめた。
すると……つむぎは大人しくなった。
つむぎの頭の下に腕を忍ばせ、腕枕をするかたちになった。