今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

隣には……かわいい寝顔のつむぎがいた。

俺にぴったりとくっついて寝ていたらしい。



上半身だけ起か上がって、それだけでわかった。

体がかなり軽い。


近くの体温計で熱を測ると……【36.7度】とだいぶ下がっていた。



つきっきりでつむぎが看病してくれたおかげだ。


……想像以上に触ってしまったし、いろんな意味で疲れたよな。

寝かせてあげよう。



俺は久しぶりにキッチンに立ち、簡単な朝食を作った。

そして、まだ気持ちよさそうに寝ているつむぎを起こす。



「んんー……っ、お母さんもうちょっとー……」



どうやら、俺と母親と勘違いしている。



「なにが、もうちょっと?」

「えー……?」

「昨日みたいに、触ってほしいの?」



そう言いながら、つむぎの頭を優しく撫でる。



「んー?」と言いながら、薄く開いたつむぎの目。

俺に気づき、ハッとする。

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