今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

瀬那先生の顔が……私にだんだんと近づいてくる。

まさか、キスしようとしてきてる⁉︎



私が口パクで「だめ!」と伝えると、シーと人差し指を唇に当てる瀬那先生。

いや、静かにじゃないよっ。

私の意図がまったく伝わってない……。


すぐそこに生徒がいるのに、キスなんて……っ。



「……っ」



……そうだよね。

元々、私に勝ち目なんてないんだ。


私は瀬那先生にあっという間に口を塞がれ、両手もつかまれたことにより、身動きもとれなくなってしまった。



「でもさぁ、もし瀬那先生じゃなかったらやばくない?」

「それはそうだよね。しかも、先生がベッドで寝てるわけないか」



瀬那先生からのキスの嵐を受けながら、私は、女の子たちの声をなんとなく聞いていた。



結局のところ、私も瀬那先生とこうして触れ合えることがうれしいから、なんだかんだ受け入れてしまう。

……触れられている間は、瀬那先生にさらに愛されてるんだと、実感することができる。

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