今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「またあとで瀬那先生探そう!」

「最近なんか全然捕まらないもんね〜」



女の子たちの声が遠のき……女の子たちが保健室から出ていったのがわかった。



連続のキスも終わった……かと思えたが、瀬那先生は今度は顔を下へと移動させ、私の首筋に唇をはわせた。

思いがけず出てしまう変な声。



そのとき、私の腕をつかむ瀬那先生の手の力がゆるんだ。

それに気づいた私は、腕に力を入れて瀬那先生の顔を両手で挟むようにして私から遠ざけた。



とぼけた顔をする瀬那先生を、私は睨みつける。



「あれ?怒った?」

「さっき、学校だからなにもしないよって言いませんでした?」

「言ったっけ?」

「言いましたよっ」



瀬那先生は「はははっ」と笑いながら起き上がり、ベッドに腰掛ける。

私も起き上がり、瀬那先生から少し離れたななめ後ろに座った。

< 331 / 397 >

この作品をシェア

pagetop