今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「きっとなにかの勘違いだよ」と、強く反論する蛍のその言葉も……私には届かなかった。



状況がいまいち飲み込めない……。

とにかく瀬那先生本人に聞いてみないとわからない。

ウワサだから、勝手な憶測で考えてはいけないと思う。



真相を知りたい。



なんとしてでも、瀬那先生を捕まえて2人きりになれる場所で聞きださないと……!

……そうは思うが、こういうときに限ってなかなか捕まらない。



モテモテな瀬那先生が結婚というビッグニュースに、他の女の子たちもショックを受けているようだ。

泣く子だったり、怒る子だったり……廊下を歩けば女の子たちの口から瀬那先生の名前を聞いた。



瀬那先生を見かけたとしても、近寄れないほどの女の子たちが周りを取り囲んでいるため、話を聞くどころじゃない。



だからって……メッセージや電話でも聞きたくない。

直接、瀬那先生の目を見てちゃんと聞きたい。



ウソだと信じているけど……瀬那先生の口から真実を聞くまでは眠れない夜が続いた。



真相を知ることができないまま……気づけば、3日が経っていた。



私は古典の先生に用事があり、職員室に来た。

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