今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

「……瀬那先生のウワサ、本当かもしれない」

「なんで?」

「さっき職員室で小栗先生の名字が結婚して守谷になるって聞いたの。瀬那先生と小栗先生の名字が一緒になるからダブル守谷だなって」

「……」

「それに、小栗先生も瀬那先生も仲良さそうに話してて、いつかは慣れるでしょうって言ってた……」



思い出すだけでも、また頭痛がしてくる。

私の体は嫌なことがあるとこんな拒否反応が起こるようになってしまったの?



「んー……つまり、つむぎはそれを聞いて、2人が結婚するんだと思ったわけだ」

「だって名字も同じで、さらに大学のときに付き合ってたんだよ?美男美女で絵にもなる……」

「けど、誰からも瀬那先生と小栗先生が結婚するって言葉は聞いてないんだよね?」

「……うん」

「しかも、瀬那先生が小栗先生と婚約してるのにつむぎと浮気するような最低な人だと思う?」

「……思わない」

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