今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

瀬那先生は女の子に慣れてて優しくて、一見チャラい。

だけど……誰にでも真摯に向き合って、一緒に問題を解決してくれようとするお手本のような先生だ。

私と付き合ってからも、きちんと私の両親に挨拶をしてくれて、瀬那先生には辛いだろう卒業までの約束も果たそうとしてくれた。


いつも私のことを優先して考えて、私が不安にならないように接してくれる……私のことを一途に愛してくれていた。



……そうだよ。

瀬那先生のことを最後まで信じなきゃ。



蛍のおかげで目を覚ますことができた。



【次の土曜日、会いたいです】

私は、その日の夜にメッセージアプリでその1行だけを送った。

【俺の家においで】

瀬那先生からの返信はすぐにあった。



それまでの毎日は本当に憂鬱だった。

瀬那先生の顔を見ると、自然と避けるようになっていた。


私は基本的にポジティブなのに、このときはめずらしく落ち込んでしまった。

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