今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
派手男は「そんなに濡れたらさすがに風邪ひくよー?」と、私の上に親切に傘をさしてくれた。
「なんかあったんなら、うちで休んできなよ」
女子高生にもわかる、絶対に裏がある笑顔を見せてくる。
あきらかに怪しい。
答える気力もない。
……傘をさしてもらっておいてなんだけど、肩がさっきから当たってる。
好きじゃない人とここまでの至近距離ってなかなかな嫌悪感を抱く。
「え、ていうかさ、めちゃくちゃかわいいね⁉︎この見た目だったら、すぐうちのキャバクラでナンバーワンになれるよ!」
私が無視を貫き通しても、しつこく話しかけてくる派手男。
「私、もう行きます……。傘、ありがとうございました」
そう言って立ち去ろうとする私の腕を強くつかんできた派手男。
「行かせたくないな〜。とりあえずさ、見学だけでもしていきなよ。ね?」
「大丈夫です」
「いやいやとりあえず俺と行こう」