今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「おまえたちは本当に仲いいよな」
門奈くんが抱き合う私と蛍を見てそうつぶやいた。
「羨ましいんなら、門奈も混ざれば?」
めずらしく口角を上げる伊吹くん。
「あ、じゃあ、俺も卒業するの寂しいからそのハグに混ぜてもらおっかな〜」
門奈くんが絶対にそんなことする気がないのはわかる。
お得意のおふざけだ。
……それは、この場にいる4人全員がわかっていたことなのに。
突然、私の目の前にスーツ姿の誰かが現れた。
……その正体は、瀬那先生だ。
「おまえたち、卒業おめでとう」
「守谷先生!今までありがとうな!」
「よし、門奈、ハグしたいなら俺がハグしてやる」
「は?……って、ちょっ!」