今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

瀬那先生はわざと私と門奈くんの間に立ち、私から門奈くんが見えなくなった。

驚く門奈くんを無視し、一方的に門奈くんを抱きしめる瀬那先生。



「いや、あのっ、マジで大丈夫っすから!離してくださいっ!」と、本気で瀬那先生を押し返す門奈くん。

そんな門奈くんに対し、「恥ずかしがるなよ〜」と笑う瀬那先生。

瀬那先生は、抱きしめるというよりは門奈くんを羽交い締めにしているようにしか見えない。



瀬那先生……絶対に門奈くんにヤキモチ焼いてるよね。

さっき、瀬那先生が少しイラッとした顔をしたのを私は見逃さなかった。



数分後ーーー……。

門奈くんは無事に解放され、また瀬那先生に狙われると思ったのか、伊吹くんを連れてどこかへと行ってしまった。



瀬那先生とも学校で会うのは今日が最後。

つまり、先生と生徒という関係も今日で終わりだ……。



「あの、瀬那先生……」



最後だから学校にいるうちにちゃんと話したい。

そう思って私が口を開いたタイミングで、瀬那先生の後ろから瀬那先生のことが大好きな女の子たちが、勢いよくこちらへ向かって走ってくるのが見えた。

< 379 / 397 >

この作品をシェア

pagetop