今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
先生からしたら、男女関係なく生徒はかわいいと思うものかもしれない。
案外、瀬那先生は真面目で誠実な先生なのかもしれないな。
「私、先生のこと勘違いしてました」
「今度はなんだ」
「チャラくて女の子にチヤホヤされたいだけの適当教師だと思ってたんですけど、今日で印象が変わりました!」
「うん……俺ってなかなかひどい印象だったんだな」
「かわいい生徒のために、これからも頑張ってくださいっ」
私はまだ体育の授業があるため、そう言って瀬那先生に別れを告げ……私は体育館へと走り出した。
「……かわいいって、そういう意味じゃなかったんだけどな」
私が走り出してから瀬那先生がそうつぶやいていたのは……もちろん、私に聞こえることはなかった。