今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
「昨日さ、頑張った自分を褒めてあげなって瀬那先生が言ってくれたでしょ?」
「……うん」
「そうか、私ちゃんと頑張ったんだなって思ったの。勇気を出して告白して、結果振られちゃったけど……それでも、人として成長できたのかなって」
「……」
「そう思ったら、今はまだ辛い気持ちの方が強いけど、いつかはこの経験が役に立つときがくるのかなぁって思えたんだ」
遠くを真っ直ぐと見つめる蛍は、私が知ってる蛍とは別人のように見えた。
晴れ渡る空が、鳥のさえずりが……蛍を囲むすべてが蛍のことを応援してるように見えた。