今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


「なんで苦手なんですか?」

「その皮膚のザラザラした感じが無理……」

「へえー……」



あまりの嬉しさからニヤケが止まらない。



「案外、近くで見てみたらかわいいかもしれないですよ?噛んだりしないし」



困った顔をする瀬那先生を見て、私の中のSの部分が急に騒ぎ出す。



「ほら!」と思いきり、瀬那先生にトカゲを近づけてみた……。



「ちょっ、いい加減にしろっ」



全力で嫌がった瀬那先生は、私の腕を掴み自分の方へと引き寄せた。



その反動でトカゲは手の上からジャンプし、どこかへと消えてしまった。



腕を強制的に上げられて、そこから動くことができなくなった私。

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