今日も、私は瀬那先生を誘惑します。

その電話は、伊吹くんが働いているバイト先からで……。

急遽人が足りなくなってしまったので来てほしいという連絡だった。



「ごめん、俺このままバイト先行ってくる」



そう言って伊吹くんはバイト先に行ってしまったので、残された3人で帰ることになった。



他愛もない話をしながら駅まで歩く。



……すると、突然、私たちの横に知らない車が止まった。



突然のことに私の心臓も止まるかと思った。



助手席の窓がゆっくりと下がっていき、奥の運転手席に見えたのは……まさかの瀬那先生だった。



「えっ⁉︎先生じゃん!どうしたのっ⁉︎」



窓に近づいて話しかける門奈くん。



「どうしたのじゃねぇよ。学生が暗くなってんのにふらふらしてるから注意しにきたんだよ」

「あーっ、すんませーん」

「なんだよ門奈、女の子2人に囲まれてハーレムじゃん」



楽しそうに話す瀬那先生と門奈くんの会話を聞きながら、私は瀬那先生だって学校では毎日ハーレム状態じゃん……なんて心の中でぼやいた。

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