今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


「ついでだから送ってってやるよ。乗りな」

「マジ?いいの⁉︎ラッキー!」



門奈くんを筆頭に、私たちはお言葉に甘えて瀬那先生に各家まで車で送ってもらうことになった。



3人で後ろの席に座るものだと思い、最後に私が乗ろうとすると……。



「後ろに3人で乗ったら狭いだろ。呉羽は前においで」

「……はい」



ときめく……ってこういうことなんだ。

不覚にも、瀬那先生の"おいで"にキュンときてしまった。



こんな言い方されて断れる人どこにもいないと思う……。



さらには、すぐ隣で運転する瀬那先生が絵になりすぎていて……ついチラ見してしまう。



内心、ドキドキが収まらないまま……車はどんどんと進んでいった。

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