今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


「……その人も、ショートヘアでしたか?」



今日はなぜか、瀬那先生に聞きたいことが山ほど出てくる。



「なに、気になんの?」

「……はい」



ちょうど信号が赤で止まり、瀬那先生と目が合った。



不思議な時間が……流れる。



瀬那先生は、また前を向き口を開いた。



「ショート……だったな」

「だった?」

「俺が短いのが好きだって知ってても、伸ばしたいからの一点張りで、途中からはロングだったよ」



「ま、好きなら髪型なんてなんでもいいけどな」と……切なそうにそういう瀬那先生。



振られたってことは、瀬那先生はまだその人のことが好きなのかな……?



その切なそうな表情には、どんな想いが込められてるの?


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