今日も、私は瀬那先生を誘惑します。
私には関係のないことなのに、もっともっと瀬那先生のことを知りたいと思ってしまう。
一途に愛されていたその人が羨ましい。
私もそんな風に愛されてみたい……。
「私も……先生みたいな彼氏が欲しいな」
心の声がポツリと口から出た。
「呉羽はかわいいんだから、すぐに彼氏ができるよ」
「でも、まだ誰も好きになったことがないから、恋愛ってどうしたらいいのかわからなくて……」
そのかわいいは……生徒として?
ひとりの女性として?
……そんなの、先生と生徒の関係じゃ聞けない。
「なら、俺のこと好きになれば?」
車を走らせながらそんなことをサラッと言う瀬那先生。