今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


私には関係のないことなのに、もっともっと瀬那先生のことを知りたいと思ってしまう。



一途に愛されていたその人が羨ましい。

私もそんな風に愛されてみたい……。



「私も……先生みたいな彼氏が欲しいな」



心の声がポツリと口から出た。



「呉羽はかわいいんだから、すぐに彼氏ができるよ」

「でも、まだ誰も好きになったことがないから、恋愛ってどうしたらいいのかわからなくて……」



そのかわいいは……生徒として?

ひとりの女性として?


……そんなの、先生と生徒の関係じゃ聞けない。



「なら、俺のこと好きになれば?」



車を走らせながらそんなことをサラッと言う瀬那先生。
< 89 / 397 >

この作品をシェア

pagetop