今日も、私は瀬那先生を誘惑します。


運転席の方へ回り、窓を開けてと口パクで伝えた。



ゆっくりと全開まで開いた窓。



「俺と離れるのが寂しくなったか?」



ここにきても真面目な顔して私の心を乱してくる瀬那先生。



「先生、さっき話してた彼女と私、どっちの方がショートヘア似合ってますか?」

「……急にどうした」

「私の方がかわいいですか……?」



瀬那先生なんか、生徒に急にこんなこと言われて困っちゃえばいいんだ。



「……まぁ、正直な話、呉羽の方が可愛いよ」



ドキュンッ……。



自分で聞いておいてかなりの大ダメージをくらった。

本心かどうかもわからないのに、普通に嬉しくてニヤけてしまう……。



「やっぱり、髪の毛俺のために切ったの?」



右手をあごに添えながら話す瀬那先生も絵になっててかっこいい。
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